幻獣図鑑「マンドラゴラ」

根茎が人の手や脚、身体を象るように分岐した植物モンスター。
数多の人々を絞首刑に処した跡地に生え、赤子の泣き叫ぶ声とも例えられるマンドラゴラの嬌声を聞いた者は絶命してしまう。
死者たちの血中の塩分をもろともせず、逞しく育ったマンドラゴラの生命力は、死人を蘇らせる薬効があり、非常に高価。
毒性や麻薬成分がある為、魔女たちの魔術道具や錬金術の材料、はたまた医療品としても取引される。
周りの土を少しだけ掘り起こし、茎と犬を紐で繋いで、よく手懐けた犬に引っこ抜かせることで、マンドラゴラを採取する。

ヘンリー・W・エヴァンス著『幻獣図鑑』より