2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

幻獣図鑑「プレイング・マンティス」

テネブラエの森に生息している、2mほどの巨大なカマキリ型モンスター。 手を合わせて、うなだれるように頭を下げる仕草が、まるで神に祈りを捧げているかのように見える為、その名が付いた。 草原などにいる数cmサイズのカマキリと同様にノコギリの歯のよう…

幻獣図鑑「J・ジェリー」

スライムに属するモンスター。 植物食で体内に毒を溜め込むなど、普遍的なスライム≪ポイズン・ジェリー≫が巨大になった姿と、今日では考えられている。 その食欲は非常に旺盛で、木をまるまる一本を消化して食べてしまう豪快な生態があり、神樹を信仰するエ…

幻獣図鑑「サギュタリウス」

弓の名手。 弓を用いて数々の武功を挙げた者、戦場で著しい活躍をした者に贈られる最高位の称号であり、≪サギュタリウス≫の多くは、テネブラエの森から輩出される。 理由の一つにエルフやワービーストなど、弓を日常的に使う狩猟を生業とした亜人が多いこと…

幻獣図鑑「アーマーナイト・シルヴィア」

ルクス大公国の貧乏貴族、レイモンド家の一人娘。 マギアアイト洞窟の入り口付近に彼女の出生や半生、死に至るまでの顛末(てんまつ)が詳細に書かれた説明碑があるのは、地元民であれば、誰もが知っているだろう。 詳しくは≪アーマースタチュー・シルヴィア≫…

幻獣図鑑「マンドラゴラ」

根茎が人の手や脚、身体を象るように分岐した植物モンスター。 数多の人々を絞首刑に処した跡地に生え、赤子の泣き叫ぶ声とも例えられるマンドラゴラの嬌声を聞いた者は絶命してしまう。 死者たちの血中の塩分をもろともせず、逞しく育ったマンドラゴラの生…

ファンタジー小説「迫害されし冒険者たち」 第九話 

リチャードはタロットカードの隠者のようにうつむきながら、カンテラの弱々しい光だけを頼りに歩を進めていく。 空は赤と黒に塗り潰され、野獣が夜の訪れを告げているように鳴いている。 狼が現れて襲い掛かってはこないだろうか。 生き物が吠える度に、横目…

幻獣図鑑「アーマースタチュー・シルヴィア」

肩に掛かる長さのミディアムヘアが特徴的な 頭を打って死んだ女幽霊の銅像。 志半ばで亡くなった霊が成仏できず、『マギアアイト洞窟』を徘徊している。 プレートアーマーの下にも重量のある鎧を幾重に着込んでおり、「私の鎧は決して傷つかん」と豪語するだ…

ファンタジー小説「迫害されし冒険者たち」 第八話

「グルルルル……。ワォォォォン!」 咆哮の主はコボルト。 犬の頭部が特徴的な、二足歩行で歩く人型モンスターだ。 右手には、鉱物を掘る為のピッケル。 血走った黄色の眼。 剥き出しの歯からは、上顎に生えた鋭い犬歯が露出していた。 口からは涎が垂れていた…